副業の勤務先への移動中のケガは労災?

働き方改革の一環として、副業兼業が解禁されて、企業の間でも副業兼業を認める事業所が増えてきていますが、実際に就業するにあたり伴うのが、副業勤務先までの移動です。


例えば、本業(ここでは仮に本業とします。)勤務先を定時で終了し、そのまま副業勤務先にバイクで向かう途中で、自転車と衝突しケガをしてしまった場合、これは労災保険の適用を受けられるのでしょうか。


通勤災害として認められます!

労災保険のうち通勤災害については、原則としては住居と就業先の往復しか通勤としてみなされませんが、複数就業者の事業所間の移動中の災害についても、通勤災害として労災保険の給付対象となります。もちろん、途中で逸脱や中断がある場合についても原則と同様です。


まずは報告を!

被災したら、まずは副業勤務先の責任者に報告するようにします。それが相手のいる事故の場合には、必ず警察官を呼び、事故発生現場の立会確認をするようにしてください。労災保険の第三者行為災害に当たるため、その届出書を提出する際に、事故証明が必要になります。

その後、副業勤務先を通して通勤災害用の労災保険の請求書(16号)を作成し、労災指定病院か労働基準監督署に提出すれば給付が受けられます。ただし、逸脱や中断がある場合には、労災が認められないケースがありますので注意してください。


ちなみに!

このほかにも、住居と就業先間の事故でなくても通勤災害として認められるケースとして、「単身赴任者の住居と帰省先の住居間の移動」についても上記と同様に通勤として認められています。

また、逸脱してもその後もとの通勤経路に戻った場合でもその逸脱が日常生活上必要な行為として認められるケースとして、「要介護状態にある家族の介護のためその住居までの移動」(継続的・反復して行われるもの)や「託児所への移動」等も認められています。


まとめ

今後、副業兼業で複数の事業所に勤務する人が増えていくことが見込まれますが、就業者本人の意識が大切なのは言うまでもありませんが、事業所としても、事故やトラブルといったケースの増加は見込まれますので、いざ発生した場合でも冷静に対応できるよう、しっかりとした準備が必要です。


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