外国人技能実習生失踪問題 企業名公表も

政府が今年の4月から新設した「特定技能」という在留資格により、今年は特に、これまでの中国が減少する中、ベトナムやフィリピンなどの東南アジア諸国からの外国人労働者の受入れが加速しました。

一方で、その要因の一つとなった、一昨年11月に発展途上国の技能向上の名目で始まった「技能実習」という制度ですが、実際には、人材不足に頭を抱えていた地方産業の欠かせない担い手になっていて、ここから、一部の企業による低賃金・重労働といった劣悪な労働環境や人権侵害を受けて働いている外国人労働者の存在が浮き彫りになり、労働基準法違反で事業主が逮捕されるまでに至るなど、7割以上の企業が同法違反で就労させていたという実態があります。

さらに近年では、その実習生が実習先から失踪するといった問題も発生し、その後年々増加し続け、法務省の調査によると、昨年の技能実習生の失踪者数は9,052人にまで増加しています。


この失踪問題を受けて、出入国在留管理庁は今年11月12日に、次のような内容で、外国人技能実習生の失踪防止対策を強化する方針を表明しました。

①失踪者を出した、送出機関及び監理団体、受入先企業の新規受入れの停止

②当該企業名の公表等の実施

③相手国政府と連携し、外国人労働者のブローカー対策の強化

④在留カード番号等を活用した不法就労等の摘発の強化


同庁は、これらの対策について全ての監理団体に周知文書を送付し、取組みへの協力を呼び掛けるとしていますが、水際対策だけでなく、根幹にある「技能実習」という制度を実態に即した内容に見直すとともに、受入先企業においても、人材不足の担い手である外国人労働者が働きやすい職場環境を構築し、労働環境も改善する工夫が必要です。


今後ますます人材不足が深刻化する中、外国人労働者の存在は、この問題を解決する重要項目の一つです。まずは、企業として、外国人労働者の施策に向き合って、職場環境の見直しを検討することも必要です。


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