ハラスメント規制法、ついに施行!②
'2020.06.14
今回は、前回から引き続き、法改正の内容(後編①)についてお話ししたいと思います。
4.雇用管理上の措置義務
パワハラについて、「雇用管理上の措置義務」が新設されました。セクハラやマタハラ等についても、概ね同様の措置義務が設けられています。
ちなみに、マタハラ等については、独自の措置義務として、「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置」があり、「業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者その他の労働者の実情に応じ、必要な措置を講ずること」が求められています。
①事業主の方針の明確化とその周知・啓発
・管理監督者を含む労働者に対して、パワハラの内容等を周知・啓発する
・就業規則等により、パワハラ等の行為に関する規則を定め、周知・啓発する
②相談・苦情等に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
・相談窓口を定め、労働者に周知する
・窓口担当者が、パワハラの内容や発生状況に応じて、広く相談対応を行う
③職場におけるパワハラへの事後の迅速かつ適切な対応
・事実関係を迅速かつ正確に確認し、被害者への配慮と行為者対する措置を適正に行う
・パワハラの再発防止に向けた措置を講ずる
④併せて講ずべき措置
・相談者、行為者等のプライバシー保護に必要な措置を講じ、労働者に周知する
・上記に係る相談等を理由として、解雇その他不利益な取扱い行わない旨を定め周知
5.望ましい取組み
指針では、ハラスメント防止の取組みについて、次のようなものが望ましいとされています。
①セクハラ、マタハラ等、全てのハラスメントをワンストップで相談受付ができる体制を整える
②パワハラの原因や背景となる要因を解消する
・コミュニケーションの活性化や円滑化のために研修等を行う
・職場環境の改善のための業務目標の設定等の取組みを行う
③アンケートや打ち合わせ等を通して、運用状況の把握と見直しに努める
④労働者以外の者※への言動についても注意を払うよう配慮する
※取引先の労働者や教育実習生等
⑤取引先等の雇用する労働者からのパワハラや、顧客等からの著しい迷惑行為により、職場環境が害されることのないように雇用管理上の配慮を行う
いかがでしたか? 次回は、「法改正の内容(後編②)」をお伝えします。お楽しみに。