コロナ休業による報酬減 改定が翌月から可能に

新型コロナウィルス感染症、緊急事態宣言は解除されましたが、その後再び全国的に増加傾向にあります。緊急事態宣言中はもとより、その後も、引き続きコロナの影響を受けている会社も多くあります。

そこで、このようなコロナによる休業に伴い従業員の報酬が急激に下がった場合において、特例により健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額を翌月から改定することができるようになりました。

これは標準報酬月額の特例改定といいますが、届出は任意で、要件を満たすからといって、全ての従業員の届出を行う必要はありません。従業員の方への十分な説明も必要ですので、慎重な対応が必要です。


★対象となる方

まずは、どんな従業員が対象となるかですが、以下の従業員が対象となります。


①新型コロナウイルス感染症による休業(時間単位を含む)があったことにより、令和2年4月~7月までの間に報酬が著しく低下した月がある。


②当該報酬が著しく低下した月に支払われた報酬の総額(1か月分)が、既に設定されている標準報酬月額に比べて、2等級以上下がった。

※固定的賃金(基本給、日給等単価等)の変動が無い場合でも対象


③令和2年6月以降に資格取得していないこと。(連続する報酬が3月ある)


④特例改定月(報酬が下がった翌月)に資格喪失しないこと。


⑤本特例措置による改定内容に本人が書面により同意している方。


★ここで重要なポイントが2つあります。

1.1つは、改定後(下がった額)の標準報酬月額を基に、将来の年金給付や傷病手当金、出産手当金の計算が行われる。

2.2つめは、上記内容を含め、被保険者本人の十分な理解に基づく同意が必要。


このように、下がった報酬に基づく保険料になるため、従業員にとっても月々の負担が軽減されますが、3歳未満児養育期間の標準報酬月額のみなし措置とは異なり、将来の年金額も減少してしまうというリスクも伴うため、従業員に対して十分な説明が必要となるのです。


★標準報酬月額改定の対象月について

令和2年4月~7月に休業により報酬等が急減

⇒その翌月の令和2年5月~8月の標準報酬月額が対象