コロナ感染症対応休業支援金、受付始まる!
'2020.08.14
新型コロナウィルスの影響により休業を余儀なくされている労働者の生活を支援するため、労働者に休業手当を支払った事業主に対して、申請により雇用調整助成金が支給されています。
このたび、事業主の指示により休業させられている期間の全部又は一部について、賃金(休業手当)を受けることができなかった雇用保険の被保険者に対して、申請により休業前賃金の8割を休業実績に応じて支給する制度が始まりました。
これは、新型コロナウィルス感染症対応休業支援金といいまして、あくまでも労働者保護の観点から創設されたもので、事業主の休業手当の支払義務が免除されるものではありませんので、休業手当等が支払われた場合には返納する必要があることには注意が必要です。
★対象労働者
中小企業に雇用され、休業手当等を受けられない国内で就労する労働者※
※新規学卒者や休業後に離職していても対象になります。
※新規学卒者以外の場合、以下については対象外となります。
①雇入日の属する月の翌月末までの期間
②休業前賃金が全く無い場合
★給付額
休業前賃金日額※ × 0.8 × 休業日数
※原則、過去6か月のうち任意の3か月分の賃金を90で割ります。3か月分の賃金が無い場合は2か月分を60で、2か月分無い場合は1か月分を30で割ります。
★上限額
日額上限1万1,000円 月額上限33万円
★支給対象期間
令和2年4月1日 ~ 同年9月30日
★支給対象となる休業日数
休業日数から就労した日数や自己都合で休んだ日数を控除
※4時間未満の就労は0.5日と算定
★申請手続
労働者本人による申請のほか、事業主がまとめて申請することも可能
★必要書類
①支給申請書
②支給要件確認書
③本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードの写し等)
④口座確認書類(キャッシュカード、通帳の写し等)
⑤休業前及び休業後の賃金の支払状況を確認する書類
(賃金台帳、給与明細、賃金の振込通帳の写し等)
※①②は厚生労働省ホームページでダウンロード可能↓↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html
★申請期限(各休業期間の申請期限)
・令和2年4月~6月:令和2年9月30日
・令和2年7月 :令和2年10月31日
・令和2年8月 :令和2年11月30日
・令和2年9月 :令和2年12月31日
※郵送の場合は必着ですので注意!
★申請方法
郵送(オンライン申請は準備中)
今回の支援金の大きなポイントは、支給日数と支給対象額が休業手当とは大きく異なる点です。就業規則によって企業ごとに違いはありますが、法定の最低限度で言えば、平均賃金計算の日数は暦日のため概ね同様ですが、支給対象となる日数は暦日ではなく、休業した所定労働日数に対してになりますので、1か月(暦日)の概ね6割程度の日数になります。これに対して、支援金の場合は、基本、歴日となるため、ほぼ10割の日数になります。
また、支給対象額についても、休業手当は平均賃金の6割以上となっていますが、支援金は休業前賃金日額(上記参照)の8割が支給されます。
つまり、通常の賃金を100とすると・・・
(休業手当)
100 × 0.6 × 0.6(所定労働日数) = 36
(支援金)
100 × 0.8 × 1.0(就労日や自己都合休業日等がある場合は控除) = 80
なお、現在、雇用調整助成金の特例措置の拡充が行われ、解雇等を行わず雇用維持している中小企業に対しては、休業手当の全額(10分の10)、月額上限も通常の8,330円が1万5,000円に引き上げられています。既に拡充前に受けられた助成金に対しても追加支給されます(延長期限:令和2年9月30日)。
この苦境の中、コロナ後をⅤ字回復する上で、従業員の賃金を維持されることにより従業員のモチベーションをアップさせることは必要不可欠です。今回の支援金・助成金を上手く活用することで、企業としては支払った賃金や休業手当は助成金で支給されるためほとんど負担なく、従業員の生活も守られますので、ぜひ支援金・助成金を活用して、コロナ禍を乗り切っていいただきたいと思います。
※健康保険・厚生年金保険料の標準報酬月額の特例もありますので、前回のコラムもぜひご覧ください。