働き方改革「生産性向上マネジメント(管理職編)」④

今回は、管理職向けの「生産性向上マネジメント」④として、「作業指示は、趣旨・スケジュール・成果物のイメージ・重要度を明示」についてお話ししたいと思います。


作業指示は、「趣旨」「スケジュール」「成果物のイメージ」「重要度」の4つのポイントで明示!


管理職として大事な業務は、経営方針に基づいた業務に対して、部下に指示を出し、部下を動かすことです。しかし、思いつきで、筋が通らない指示を出したり、指示が不明確だったりすると、部下は混乱してしまいますし、いずれ、その指示も聞かなくなってしまいます。


「作業指示に大事な4つのポイント」

管理職が作業指示を出す際に、部下に明示すべき重要なポイントは次の4つです。


1.作業の趣旨

「A商品の資料をまとめておいて」とか「B企業のデータを抽出しておいて」という作業だけの指示はよくありません。やってほしいとのみ依頼しても、何の目的で、どれくらいのレベルを求めているのかが部下に伝わらず、十分な精度が得られません。

作業を依頼する際には、その趣旨、それに至った背景や目的があるはずです。要領を得ない資料となったり、何が言いたいのか分からない資料とならないよう、作業の背景や目的などを明示することが大切です。


2.スケジュール

「時間がある時に」とか「なるべく早く」という曖昧な指示はよくありません。人は大抵、期限を設定されなければ動けず、集中した良い仕事はできません。

管理職自身のスケジュールを見て、その仕事がいつまでに完成してほしいのか、また、部下の能力などを鑑みて、作業の期限を明示することが大切です。


3.成果物のイメージ

「C社用のプレゼン資料を作っておいて」とか「サンプルデザインを作っておいて」という指示がありますが、思っていた形式や構成と全然違ってしまっていると、せっかく依頼してもゼロからやり直しということにもなりかねず、部下も徒労感だけが残ります。

アウトプットイメージとも言いますが、成果物の全体像や概要が双方で共有されていれば、思い違いによる無駄がなくなり、作業の進行もスムーズになりますので、作業の成果物のイメージを明示することは大切です。


4.重要度

作業によって重要性は異なります。中には、前に依頼した作業よりも、重要性が高く先に取り組んでもらいたい作業も発生します。しかしそれを、「ちょっと急ぎで」と指示してしまうと、前に依頼した作業よりも急ぎなのかはっきりせず、部下は混乱してしまいます。

イレギュラーに緊急な仕事が入れば対応せざるを得ませんが、基本は、チームの目標管理上の視点で、その仕事の優先順位や重要性を判断し、その仕事に基づいた作業の重要度を明示することが大切です。


また、働き方改革において、残業時間の上限規制など、労働時間の対応が重要視されている中、労務管理の責任者である管理職として、部下の勤務時間内の作業の徹底は言うまでもありません。


そして最後に、「いつでも質問していいよ」と伝え、できるだけ忙しそうな雰囲気を出さないようにし、一度指示を出したら、言いたくなることがあっても一定の期間を設けて、じっくり待つことが、4つのポイントを生かすコツです。


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私の好きな言葉に、山本五十六の有名な名言があります。人材育成の重要なポイントが集約されていますね。


「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」


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ちょっとしたコツ集

・「なぜ」この作業が必要なのか。誰からの依頼で何に使用するのか。「いつまでに」「どの段階まで」仕上げる必要があるのか。粗々な案でもいいから早くほしいときは、その旨を伝える。

・成果物のイメージは、白紙に手書きのアウトラインでよいので伝える。

・必ず段取りとスケジュールを示して作業を指示してくれるので、何をいつまでにやるべきかのミッションが明確になるとともに、チーム全員の共通の認識として、その後の作業がスムーズに進められた。

・業務の優先順位付け、業務の割り振り、作業の趣旨の伝え方がとても明確で、部下が仕事をしやすい。全体の方向性も見据えながら部下の立場で考えてくれている。

・週1回、月1回の打ち合わせで軽い案件、重い案件を振り分けて管理。PDCAサイクルにのっとった指示をしてくれるため、案件を溜めることなく進められる。



いかがでしたか?次回は「身近な生産性向上策(一般社員編)」⑤「仕事が詰まっていないときは、目標時間を決めて相談、概要ができたら見せる。」についてご紹介したいと思います。お楽しみに。


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