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人手不足など労働環境問題で注目される保育の現場でも、働き方改革の必要性の認識は高まってきています。では、どんな取組みを行っていけばよいのでしょうか。  保育の現状・過酷な労働内容 一人の保育士が、子どもの保育・デスクワーク・イベント等の諸準備を全て行っていて、保育以外の業務が多く、一人にかかる負担が大きい。 ・安い報酬 こんなに大きな業務負担にもかかわらず、給与は、勤続25年の主任でも手取りが18万円というケースもあり、基本給の安さに加え、サービス残業も多い。 ・保護者との軋轢やストレス 加えて、保護者との保育方針のズレや違いがストレスを生み、特に育児経験の少ない若い保育士は、保護者からの攻撃の的になってしまいます。モンスターペアレンツの対応など、精神的な重圧も非常に大きなストレスになります。 ・同僚、上司とのトラブルや衝突 職場での人間関係の気苦労が絶えず、パワハラやイジメの例も多数報告されています。自身の失敗を先輩や上司から指摘・攻撃され、結果、ノイローゼや鬱になってしまう保育士も散見されます。 ・責任の重さ、事故への不安 子どもの動きを予見することは難しく、全ての事故を防ぐことはほぼ皆無です。中でも食物アレルギーの問題は、最近多く見られ、命に関わる例もあるため、保護者とのコミュニケーションは必須で、これが更なる負担となります。一方でその対策とされる栄養士等の常駐は人件費増を招き、結果、保育士の給与が抑制されることに繋がります。  行政の対応認可保育所における保育士の給与は、預かる子どもの人数や年齢などによって基となる運営費(補助金)により決められているため、この単価が変わらない限り給料が増えない仕組みになっています。 そこで政府は給与水準向上のため、補助金(340億円)を上乗せ支給しましたが、一人当たりにすると、月額1万円程度に過ぎませんし、いくら保育士の数を増やしたとしても、労働環境の改善がなされない限り、潜在保育士を増やすだけで、目的である人手不足の解消には繋がりません。  保育所における労働環境の改善労働環境の改善は、労使間の風通しのよい環境構築からです。いくら業務のシステム化、他の保育園の成功例といっても、みんなで意見を出し合い、業務の必要性の是非等を取捨選択し整理しなければ、本当に効率のよい仕事はできません。 時間に余裕が生まれれば、仕事へのゆとりもできますし、仕事以外の時間で英気を養うこともでき、それが明日の仕事への活力にもなります。   保育所全体のコミュニケーションを密にすることもその一つです。良いことも悪いこともみんなで顔を合わせて共有すれば、保育士が一人で精神的に孤立することを防ぐことができます。それには労使間の「見守る・見守られている」という関係が重要です。   そのためには、まずは「仕組み作り」が必要です。そして、保育士一人ひとりが生き生きと働き、魅力あふれる職場環境にしていき、それをSNS等により情報を発信していくことで、評判が評判を呼び、結果、人材の確保・定着・育成に繋がっていくように思います。→ 職場のメンタルヘルスよくあるご質問は、こちらご不明な点は、こちらからご相談ください。   ※長野県では、年休の確実取得や女性のキャリアアップ支援などにより、働き方改革を推進 ※東京では人材難の対策として、職場復帰制度の支援策導入、1社20万円